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貸事務所 新大阪の悩みを抱える人は、ぜひ一読

辛口の日本経済論で知られる米国のエコノミスト、A氏の部屋にはK監督の「七人の侍」の大きなポスターが飾ってある。 「十数回はみた」と興奮して話す氏に、この点では共感した。
映像に融合した早坂文雄の音楽は世界のKファンにとって永遠の響きだ。 東京はいま文化の発信地であるだけでなく、文化の競技場である。
「東京でオペラの公演をできることが世界の歌劇団のステータスだ」とある指揮者は語る。 文化が生み出すソフトパワーは情報通信革命と連動して産業榊造をも変える。
新たな成長の可能性はアジアにある。 中国など東アジアの歴史的勃興期のなかで、日本経済は第二の発展段階を享受できた。

歴史認識をめぐる日中、日韓間の「冷たい壁」がなければ、東アジアの経済統合はもっと進展していたかもしれない。 米H大学のJ教授が警告した通り「靖国問題」は「アジアにおける日本のソフトパワーを損なった」。
東アジア経済共同体構想はA政権の新成長戦略にも新外交戦略にも試金石になる。 日中、日韓首脳会談を早急に開催し、この構想の実現に動くときだ。
東アジアの環境技術協力を日本が主導するほか、経済連携協定(EPA)やアジア通貨単位(ACU)創設による金融協力など具体的な日本提案を示す。 「靖国」を超えて未来を向いた共通的を射ている。
映像・音楽ソフトなど洗練された文化産業が新たな戦略分野になる。 日本の針路戦後ひたすら経済大国への道を歩んだ日本は、自らのソフトパワーの可能性に気づかずにきた。
伝統文化、若者文化から広範な国際協力まで、その潜在力は日本人が考える以上に大きい。 それを掘り起こし、発展させることはA政権の歴史的使命である。

A首相のめざす「美しい国」は、偏狭なナショナリズムおおう国ではなく、魅力あふれる懐こそ生きてくる。 戦略を打ち出す段階だ。
アジアで失われかけたソフトパワーを取り戻す大きなきっかけになる。 多角的な外交で日本の存在感を示すこともソフトパワーに結びつく。
唯一の被爆国である日本は核不拡散を国是にする。 にもかかわらず北朝鮮、イランの核開発問題が焦点の国連外交で「日本不在」になったのは誤りだ。
政権移行期だったことは言い訳にならない。 影の国連事務総長といわれた元国連官僚、B氏は選出中の事務総長について「歴史が示す通り偉大な事務総長は国連にとってだけでなく世界全体にとって重要だ」という。
そんな国際機関に粘り強く志ある人材をもっと送り込みたい。 国連の平和維持活動(PKO)には日本と利害が薄い地域で参加すべきだ。
地道な人的貢献こそ安保理常任理事国への近道である。 もちろん、外交の基本は日米同盟である。
北朝鮮などアジアに危機の芽があるなかで日米同盟は強固でなければならない。 同時に、EUの深化と拡大、中国に続く新興諸国群の台頭など世界が多極化するなかで、外交の視線は多角的であるべきだ。
「主張する外交」も広い視野のなかで日本の針路地球温暖化問題が国連の安全保障理事会で初めて議題に取り上げられた。 英国の強い要請に、渋っていた米国、中国も応じざるをえなかった。
国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告で温暖化の影響が全地球をおおうことが確認された。 これを放置すれば国際紛争の脅威が広がる。
国際社会は温暖化をめぐる安全保障上の危機感を共有したといえる。 温暖化の国際政治は、温暖化ガスの大幅な排出削減をいち早く打ち出したEUが先導しているようにみえる。
そのなかで、省エネ先進国であるはずの日本の存在感は薄い。 ポスト京都議定書の枠組み作りは、そのまま国際政治の次の見取り図を示す。

日本はEUとともに、米国、中国、インドを巻き込んで温暖化防止の先頭に立つ国際責任がある。 「BtOB」が盛んだという。
ネットビジネスのことではない。 B英首相からB米大統領への電話である。
大きなテーマは温暖化防止で、そのキーワードは「カーボン・マーケット」(炭素市場)だといわれる。 排出権取引などで温暖化防止をリードする英国が京都議定書の削減義務から離脱した米国に国際的枠組みに参加してほしいと求める「友情ある説得」ともいえる。
それは温暖化をめぐる米国の変化をうまくとらえている。 温暖化ガス削減の動きは連邦政府を尻目に東部七州からカリフォルニア州まで州政府段階で広がりをみせる。
G社やD社など有力企業は排出削減目標を課すよう求め、その動きは米産業界に波及しつつある。 国際的枠組みへの参加を求めるバイデン・ルーガー決議など米議会の動きも活発だ。
B後をめざす大統領候補たちが共和、民主を問わず温暖化防止を掲げるのも当然だ。 「いまや米国が国際的枠組みに参加するかどうかではなく、いつ参加するかという段階だ」と英国の当局者はみる。
英国はEUの先導役を担うが、とりわけ六月の主要国首脳会議(ハイリゲンダム・サミット)の議長国ドイツと連携する。 M首相は環境相として京都会議に参加した経験があり、サミットではポスト京都議定書の枠組みをEU主導で方向づけたい考えだ。

EUは二○二○年に一九九○年比二○%の温暖化ガス排出削減という目標を決めたが、それを率先したのは首脳たちだった。 EU首脳は多極化するグローバル社会にあって温暖化防止で国際責任を果たすことがソフトパワーの源泉になると肌で感じている。
温暖化をめぐる国際政治が展開するなかで、「環境立国」をめざす日本はどう動くか。 A首相が来日したO中国首相との会談で、環境協力で合意したのは一歩前進だった。
とくにポスト京都議定書の「実効的な枠組みの櫛築」に日中が参加することで一致した意味は大きい。 しかし、A首相から温暖化防止策を急げと指示された関係閣僚の間には足並みの乱れがある。
W環境相はEU主導の国際潮流に「米国が乗り、中国も受け入れるとしたら、日本はどうなるのか」と警告する。 「中国は排出権取引で得をする。
この仕組みを利用して資金と環境技術を呼び込む方法を選ぶのではないか」とみる。 一方で、A経済産業相は「EUの枠組みに米国が乗ることはありえないし、まして中国の参加は考えられない」と指摘する。
一致しているのは、ポスト京都議定書の枠組み作りでは「巨大な温暖化ガス排出国である米中印を入れた実効あるものにしなければならない」という点だ。 では、日本発の提案をどう打ち出すか。

経産省は電力、鉄鋼などセクター別の省エネを日本の産業を基準にして世界に展開することを検討している。 しかし、この方式だけでどこまで温暖化ガスを減らせるかは不透明だ。
現実的なのは、京都議定書流の国・地域別総量規制と省エネ目標によるセクター方式を組み合わせる仕組みだろう。 中国やインドには強制ではなく排出削減の自主的目標を求め、その内容や達成度合いをみて世銀融資などで支援する仕組みも考えられる。
温暖化の危機はいま地球をおおっている。 S元世銀副総裁の報告によると、温暖化対策をとらないと経済的損失は世界のGDPの五〜二○%に達するのに対して、温暖化防止のコストはその一%ですむ。
温暖化対策に早めに手を打つことこそ、成長持続の基本的な条件であり、環境と経済を両立させる道である。 いま「世界の舞台」に日本人の才能があふれている。
チャイコフスキー国際コンクールではバイオリン部門でKさんが優勝した。 Sさん以来だ。

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